セミファイナルを終えて

初めて今回のチリヌルヲワカの新譜を聴いたのは、正式に全曲披露されたチリヌルヲワ会に先だってトライアングルがMVとして公開された時。本当に完成度が高くてちょっとノスタルジックで透明度と深み奥行きのある楽曲という印象が、大変強く素晴らしかった。
更に今回は異例とも言える2曲目の新譜からのMV公表。
2曲目の前ストロもヲワカらしい人生訓や世界観を背景とした深い楽曲。この辺でこのアルバムがスリーピースとなって以降のヲワカ最傑作であることを確信した。深い音楽観がなくても理解できるレベルで。
このアルバムを聴いてヲワカの行方を私は心配した。俺たちの思いは別にしてこんなに完成度の高い楽曲を作ってしまった。阿部さんが抜けるから『この3人での』『集大成とも言うべき』とユウ先生が言っているのだろうが、ヲワカのメンバーが、特にユウ先生がもうヲワカでやるべき事はやり尽くした、若しくは最早他の形態で更なる道を進むべき、と思うならヲワカは解散してしまうのではないのかと思ったのだ。
阿部さんが新たな道を歩む、と自分なりの新しい道を選んだことについては、これまでの感謝と前途を前向きに祝したい。阿部さんお疲れ様です。
本当は阿部さんへの気持ちは今回のツアーが終わるか、或いは冬の恐らく今年後半のツアーの最後に話すべきかも知れないが、差し当たり今回のツアーのセミファイナルが我が故郷であった事から今日お伝えするのです。
それはさておき毎回ツアーの度にヲワカにはスゲー圧倒される。勿論どのバンドも前より良くなったという話はよくある話だけど、ライブの度にあからさまに進化してくるバンドはヲワカを於いて他には知らない。だから都度仮に同じお題のセトリでも同じにはならぬ。
今回仕事やライブ先約で、福岡、新潟、仙台と聴き損じたのだが、名古屋では明らかに進化(深化)させてきたのだからヤハリ凄い。ライナーさんがダブルアンコールは要らないと言うた意味がよく解る。アンコールの時点で完全に完成していて、もう何も足さなくても良かった。
勿論、ダブルアンコールは明らかにオーディエンスには至福であり、ダブルアンコールなんかないのが良いのでは、みたいなストイックなライブでなくて当然良い。ライブのあり方など、それぞれの腑に落ちれば、全部正解なのだから。きっかけはミーハーにユウ先生可愛いでも良い。ヲワカに出会えるならそれでいいじゃない。きっかけなんて何でも良い。
しかし、ここまで素晴らしいライブをしてくれたヲワカを観るとき、俺としては全力を尽くして向き合わねば。特に今回は。
梅田シャングリラに限らずエイキチさんの前に立つことは過去何度もあったが、昨日もエイキチさんの前にいた。日常だね、もうこれは。
全力で手を挙げ、叫び、踊りました。凄く感動したのはそんな俺のエモーションにエイキチさんが(たぶん)何度も応えてくれたことだった。ベースのフレーズが躍動する。今日はちょっと違うぞ。
阿部さんもユウ先生も神がかっていた。けどそこに振り向ける余裕なんかもう俺にはなかった。
ヲワカのメンバーの本気に敵うレベルのオーディエンスであることは実に難しい。
なんだ、お前何も見えてないやないか、と言いたいヤツは言え。盲目上等。自分の神を信じて何が悪いか(笑)そうだよ、もう一杯一杯さ(笑)
俺がヲワカを生真面目に聴き始めたのはスライダーマンツアーの心斎橋JANUSからだから、彼是7年位になるが、昨日のエイキチさんはこの7年で明らかに一番の演奏だった。勿論ユウ先生も阿部さんもマジでヤバかった。昨日から梅田シャングリラのセミファイナル来た方々の激アツのコメントたくさん見たでしょう?みなさまも。
ファイナルを残しているが、俺的には昨日のセミファイナルでヲワカは完成してる。代官山ファイナルは単に楽しもう。もはや今回のツアーでは硬い話は、するまいて。
この心地好いグルーヴに身をまかせるよ。